カミノイッテ

古民家メディアアート「かみさまのAspect」での展示作品。

ハンドトラッキング機能により、インタラクションを行うことができる映像作品です。

1,センサー上で手を「祈る」ような形でかざします。
2,手を閉じたり開いたりすると映像が変化します。

自分を規定しているものはなんだろう。
自分が自分であるという認知は何が発端なのか。

この作品は、外界との相互依存の中で、自己が立ち上がる概念をシミュレートしました。

私たちの捉え難い意識というものは、あらかじめ与えられた自己を持たず、
相互依存の中で立ち上がるという考え方です。

観測可能なのは身体と事象が出会う場面です。
夕日を見て美しいと感じる。ラーメンを食べて旨いと感じる。
「見る」「聞く」「味わう」「話す」...
私たちが知覚する純粋な反応が発端となり複雑な感性や知性につながる。
生まれたときから、それを繰り返し、
自分が自分であると認識するようなことが起こるのだと。

確かに外界との相互依存を繰り返せば、経験が、自分を形作り得るでしょう。
どのように立ち上がってきたのかを、近い過去は記憶しています。
しかし、赤ん坊の時のことを思い出すことは難しい。
そしてそのさらに過去は？生まれる前は？
猿やキリンは？微生物は？

つきつめると生命の根幹、なぜ私たちはそのように設計されたのか？
誰が、最初に相互依存を始めたのか？という疑問にたどりつくのです。